今年も慣例によって7月14日に「那智の火祭り」が行われました。この行事は、熊野権現と呼ばれる12の御神体が、扇神輿に身をやつし、その昔鎮座していた那智の滝のふもとに帰省する行事です。それゆえ、「那智の火祭り」は一名「扇祭り」ともよばれます。有名な大松明は12本あり、それぞれの大松明が12の御神体を迎え、滝のふもとへと先導いたします。
熊野が世界遺産に登録されて早やくも5年がたちました。その後客足は順調に伸び、日本の3大火祭りの1つとして、益々その名をはせています。
今年の火祭りはことのほか炎暑の中で行われました。松明のかつぎても、観客も大変でした。それにしても、大門坂を上るお客さんの増えたこと。

なお、平成20年6月25日、那智の滝が「平成の名水100選」に選ばれ、町長が環境大臣より認定証を受理してまいりました。

 

 

 

 

 

火祭り本番に先立って、熊野那智大社の境内では和歌山県無形文化財の「田楽の舞い」が披露されます。 振り付けは、田植えから稲刈りまでの農耕作業です。
なおこの田楽は平成21年、世界の無形文化財としてユネスコに登録されることになり、只今その手続き中です。

 

 

   

 

 

 

 

 
大松明に先立って、二本の小松明が走ります。これはいち早く扇神輿を迎えるために放たれる矢です。一の矢、二の矢、三の矢と、矢は三度放たれます。 そうこうするうちに、大松明に次々と点火されていきます。重さ約50Kg。屈強の若者もその重量に顔をひきつらせます。年寄りが言います、「今の若者の腰つきはなっとらん。ふらついておる」。
 

 

 

 

 

 
点火された大松明は、順次神々を迎えに出立します。 全て点火された大松明は縦一文字のきれいな隊列を組んで大観衆の歓声に包まれながら前進します。
 

 

 

 

 

大松明たちは境内から急な石段を登っていきます。私など何も持たずに登っても息が切れます。

 

 

 

 

 

 
扇神輿と邂逅し、歓喜に酔いしれてグルグル旋回しつつ石段を降りる大松明。背後に赤い扇神輿が見えます。 火は怪しい魅力を持つ原子です。大松明は燃えてかなり短くなっています。燃えすぎないように水が吹き付けられます。その水が熱湯となって若者の手を濡らします。しかし、落としてはいけない。
 

 

 

 

 

 

大松明に先導されながら一歩一歩と石段を下る扇神輿。時には里帰りの歓喜に激しく身を震わせながら。

 

 

 

 

 

扇に身をやつされた神々と那智の大瀧。那智勝浦町の至福の瞬間です。

     

 

 

 

 

 

時空を超絶した巨大な神域の核をなす、日本一の名瀑(私たち熊野の人間はどうしてもそう思います)那智の滝の御前にて、安息する、十二の扇神輿。

神にませば
まこと美はし
那智の滝
高浜 虚子


フカヒレ

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那智・美瑛火祭り