6) 今日まで遺る建築作品  


 実際に彼の作品をご覧になりたい方のために、彼の残存作品からご紹介します。彼が多くの作品を建築したのは阪神間と東京です。しかし、西村が活発に建築活動をしていた頃より既に70年あまり経過し、私が把握している残存作品は阪神間では一棟、東京でもごくわずかです。彼の作品が比較的多く残存している地域は和歌山県新宮市とその周辺、岡山県倉敷市です。
 住宅以外の作品も含め各地に遺るもので、公開されているもの、非公開のもについては道路から全体像がつかめるものは次のとおりです。作品名は当時の名称です。
 ご覧になる際は、公開されていないものについては、所有者の迷惑にならないようお願いします。特に住宅につきましては十二分にご配慮ください。


  6-1 新宮市およびその周辺

西村邸  佐藤邸 高芝教会  桑原医院


 新宮は彼が生まれ育ち、昭和になって東京に移転するまで本宅を構えた地です。西村伊作邸(現西村記念館)は彼が世に出る前約十年を過ごした記念碑的な住宅で、本HP「3-b 三番目の自邸」を参照ください。この筋向かいに西村の友人であった米国人宣教師チャップマン邸があります。佐藤春夫邸(現佐藤記念館)は弟の大石七分が実施設計しました。桑原医院のある下北山村桑原は西村家の所在地です。

西村伊作邸(西村記念館)1914年新宮市伊佐田 彼の三番目の自邸、公開中(原則として月木曜日休館)
旧宣教師チャップマン邸1926年新宮市伊佐田正面一部増築
佐藤春夫邸(佐藤春夫記念館) 1927年新宮市新宮1(速玉大社境内)東京の旧宅を移築、外観も若干改造、公開中(水曜日休館)
新宮第一小学校(現丹鶴小学校)校門1921年新宮市下本町    
高芝伝道教会(現日本基督教団紀南教会)1925年那智勝浦町下里  
桑原医院(現村立歴史民俗資料館)1924年奈良県下北山村桑原彼が村民のために開設した医院、公開中



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